研究課題/領域番号 |
63510126
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
角替 弘志 静岡大学, 教育学部, 教授 (40021878)
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研究分担者 |
馬居 政幸 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30126768)
落合 良行 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30092513)
山本 章 静岡大学, 教育学部, 教授 (70022217)
外山 知徳 静岡大学, 教育学部, 教授 (40013213)
望月 雄蔵 静岡大学, 教育学部, 助教授 (20022171)
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キーワード | 生涯教育計画 / 学習行動 / 学習意識 / 学習機会 / 地域 / 地域学習 / 地域活動 / 地域組織 |
研究概要 |
本研究の目的と課題に従い、昨年度の静岡県浜岡町に続き、学習意識と行動に関する調査を御殿場市(成人1000名)で実施。両調査結果の分析により、(1)学習行動因子析出と学習行動類型化上の特性、(2)各行動類型の社会的属性・学習意識・地域活動状況上の特性、(3)地域特性・学習条件等との関係を総合的に考察しその構造(教育意思構造)を解明した。再に、(4)昭和58年に実施した二調査(土肥町、御殿場市)の結果とも比較検討し、地域を基盤とする生涯教育計画推進の実態と課題として次のことが明らかになった。先ず、学習行動・意識の面でも地域住民は多様に分化し、従来は統合性が強いとされていた農村部においても分化の度合いは都市と同傾向にあることが明らかになった。他方、地域での学習機会は多くの場合旧来の地域組織と地域活動への同化を前提として計画・実施され、生涯教育計画を企画推進する中心主体も長くその地に住む高齢者や地元有力者が多く、必ずしも分化した多様な層の意見を反映できる組織とはなっていない。本来、地域生涯教育計画の目的は住民の学習機会の保障とともに、学習を通じたコミュニティーの再形成にある。だが実際には、地域での学習機会が却って住民を相互に分化させる要因として機能しがちであり、また最も地域での学習が必要とされる新住民や育児期の夫婦等が地域(活動)への拒否反応故に学習機会から遠ざかるという実態がある。従って地域生涯教育計画の第一の課題は地域住民を一元的な地域同化としてではなく、異質性・多様性を前提とした統合の方法や仕組みの創造であることが明らかになった。また、本年実施した浜岡・御殿場での小・中・高生調査の分析により児童生徒とその両親の間に学習に関する意識のズレが顕著に見られることから、本研究の最終年度である明年度は学校教育を含めた地域生涯教育計画のための総合的なモデルを考案する。
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