研究概要 |
(1)北海道および国内の考古資料調査〜北海道の日本海沿岸および日本海の礼文島など離島出土の考古資料に主眼をおき、中国の初期鉄器時代並行の擦文時代の資料調査を進めた。 (2)中国考古学など関係文献の調査〜中国中央部の刊行物「文物」「考古」「考古学報」、東北部の刊行物「黒龍江文物叢刊」「北方文物」「遼海文物学刊」「遼寧文物」「東北歴史与考古」などから黒龍江・遼寧・吉林省と内蒙古自治区の関係論文・報告を抽出して翻訳するとともに、この他、「黒龍江古代民族史綱」「黒龍江古代簡史」「黒龍江古代文物」などの概説書の主要部分を翻訳し、参考図書とした。特に東北3省の遺跡と文物を紹介している『北方史地叢書・東北歴史地理・第一巻』(1989年9月,黒龍江人民出版社)を基本文流として翻訳の上、本研究に利用した。 (3)中国研究者への確認調査〜北海道出土の中国青銅鏡の東北部における分布など数件について照会・確認調査を依頼しているが、当方が期待しているような十分な回答はまだ少なく、今後に期待している。 (4)調査事項の整理・集約〜本課題による3カ年の基礎研究から、特に中国東北部の黒龍江・遼寧・吉林省と内蒙古自治区の地域別考古学文献リストを作成するとともに、中国東北部の発掘・調査年表、C14年代測定値カ-ド、博物館リストなどを作成し、関係文献類をコピ-で収集・集約をした。 (5)研究成果のとりまとめ〜本研究による成果の1つとして「中国東北部・黒龍江省地区における先史時代の遺跡と出土文物」の執筆を終え、今後、遼寧・吉林省についても執筆を予定している。この他、「中国東北部における旧石器時代の遺跡と遺物」を、現在取りまとめている。
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