1.<左連関係の文献目録を中心としたデ-タベ-ス化>我々は2年間にわたりパ-ソナルコンピュ-タ-を使用して共通のデ-タベ-ス・プログラムにより、購入したハ-ドディスクにそれまで個々人が収集していた資料、新たに収集した資料の共有化・デ-タベ-ス化を行った。この作業は本研究の目的、性格に鑑みて最も成果が期待される部分である。これまでの作業の結果、我々は左連研究に不可欠な基礎資料<新文学史料>(1694件)、<中国現代文芸資料叢刊>(451件)、『左連回憶録・上下』(1970件)等の4種の定期刊行物(創刊号から現在まで)、出版物、さらには「胡風著作目録」(430件)、「北方左連関係資料文献目録」(149件)等の4種の左連関係者著作目録、左連関係文献目録のデ-タベ-ス化を終了し、各資料の著者別索引、目録、検索、情報提供等を可能にした。またこの外<魯迅研究資料>(現在件数156件)「桜適夷年譜」(同47件)等の基礎資料、東京左連関係者の年譜、文献目録作成も進んでおり、同時に30年代の留学生運動全体を睨んだ東京左連を中心とする仮称「留学生運動年譜」(注及び解説を含む。現在件数279件)作成等も進行中である。 2.<関係資料の収集>・<資料の集中>天理大学、京都大学等に赴き、各研究機関が個別に所蔵している稀覯書<文芸雑誌>等の資料を収集し、埼玉大学に集中した。以上の結果、今後の本格的な左連研究に足場が築かれ、他の便宜に供せられる体制が初歩的に整った。我々は可能な限り必要とされる方々への提供の便を図るつもりである。 3.<成果の取りまとめ・公開>北方左連関係の初めての文献目録、最も一次資料の少ない東京左連結成前史に関する論文等を収めた<左連研究>第1輯を発行し、国内の関係各研究機関、研究者、中国社会科学院、北京大学等国外の関係各研究機関、研究者に発送した。現在は同第2輯を作成中である。なお学会誌等における論文発表は別記の通りである。
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