1.大英図書館蔵・古代ウイグル語仏典『阿毘達磨倶舎論実義疏』(Or.8212ー75)6000行のラテン文字への文字転写を完了した。 2.これまでに得られている古代ウイグル語文法に関する情報をもとに、上で文字転写したものを音素転写に書き換えた。 3.音素転写したテクストの、パソコンへの入力を完了した。 4.この古代ウイグル語仏典中に引用されている、他の仏典たとえば『阿含経』『順正論』『倶舎論』などを抽出することができた。 5.これら抽出した引用文の、もとの漢訳文との対照から、 (1)ウイグル語ー漢語対照語彙及び対照構文のリストを作成した。 (2)難解とされる、この仏典のウイグル語構文の特徴が整理できた。 6.入力した音素転写テクストの修正と和訳及び注記が80%程度完成した。 7.音素転写テクスト2583行分の刊行が可能となった。 8.次年度予定の漢文原典の再構がかなり容易なものとなった。
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