研究分担者 |
小滝 光博 広島大学, 経済学部, 講師 (00194564)
谷口 正信 広島大学, 理学部, 助教授 (00116625)
藤越 康祝 広島大学, 理学部, 教授 (40033849)
前川 功一 広島大学, 経済学部, 教授 (20033748)
木村 滋 広島大学, 経済学部, 教授 (80067454)
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研究概要 |
岡本は分数正規ノイズFGNと分数階差ARIMA(0,d,O)、ARIMA(1,d,0)を計算機上で発生し、長期記憶時系列モデルをシミュレ-トした。FGNにある周期成分を加えて日別為替レ-トと同じ長期記憶を持つ時系列を得た。また分数階差ARIMA(1,d,0)の自己回復部分のR/S-分析にたいする効果を調べた。ペリオドグラムと周波数の関係からdを合理的に推定する方法を得た。さらに帰無仮説の下でブラウン運動し、対立仮説の下でFGNをなす検定統計量を導き、その検定力を計算した。木村・岡本は為替レ-トモデルを金利平価、不偏予測子、ランダムウオ-ク、AR(1)モデルの観点から予測式を検討した。外部要因の変動が小さい期間ではAR(1)モデルの予測誤差が一番少ない事を確かめた。多変量非定常時系列研究の一環として小滝はcointegrationとcommon trendの統計的推測の問題を取扱った。定数項が存在する場合、この問題は従来の取扱では不十分であり、小滝はcointegrationの存在とcommon trendの数を判定するための検定統計量を新たに提出した。これらは多国間為替レ-トの多変量非定常時系列を考え得る場合に必要となる課題である。時系列解析において谷口は、スペクトル密度関数の未知母数θの最尢推定量と観測されたフイシャ-情報量を用いて漸近的補助統計量を作った。補助統計量が与えられた時の最尢推定量の条件付分布の漸近展開を用い、ある確率水準を持つ信頼区間を作った。前川は推定されたスペクトル密度関数の標本分布の3次オ-ダ-までの漸近展開を行い、その経済時系列への応用に言及した。また前川は線形回帰モデルにおいては均一分散性の各種検定の検定力を漸近展開を通じ比較検討し、非線形回帰モデルにおいてもOLS推定量と予測量の漸近展開を求めて小標本特性を論じた。藤越は確率分布の漸近展開近似の誤差評価に関して一連の研究を行った。
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