平成元年度に予定した研究計画は以下の如くであった。 1.第一次石油危機以後の西ドイツ経済の発展と構造変化を示すデ-タを収集し、分析する。 2.構造政策にかかわる諸政策と構造変化との関連を明らかにする。 3.構造政策の具体例を実証研究する。 経済指標に関するデ-タ-の収集はすすんでおり、これをコンピュ-タ-・ソフト「エコノメイト」のシステムに合わせて投入作業がなされた。 構造政策の基本となる経済政策の形成にあたっては、西ドイツが連邦国家であり、分権制度がとられているので、政策形成のプロセスが明らかにされなければならない。この問題を、大西と井上が共同で、日本経済政策学会第46回大会において「西ドイツの経済政策形成における助言機関」と題した発表を行った。要約を同学会年報において発表した。 西ドイツの経済政策における連邦主義は非常に重要な問題であり、この観点から社会的市場経済体制の実態が解明されなければならない。研究成果は、大西と井上が、柏崎編「経済政策の形成過程」での分担執筆としてまとめることができた。 東欧での民主化との関連で、西ドイツの社会的市場経済体制が注目されているが、これを西独の経済統合の観点から大西が研究を発表した。 以上の如く、本年度の研究は予定通り進行しており、いよいよ本研究のまとめに入るまでにいたっている。
|