研究概要 |
1.実施状況 本年度の研究実施計画では(1)近畿の第三セクタ-による主要プロジェクト及び民活事業,苫小牧東部開発(株)の実態調査,さらに政府各省等でのヒアリングの継続,(2)文献調査,(3)一応のまとめが主目標であった。これにしたがって実態調査としては(a)近畿関連では関西高速鉄道(株),大阪市都市開発公社,(株)マ-チャンダイズ・マ-ト,リゾ-ト開発に関係して三重県,紀伊長島レクリエ-ション都市開発(株)等,さらに(b)苫小牧東部開発(株)等の調査を実施した。文献調査としては兵庫県福祉情報センタ-,全国社会福祉協議会,国立国会図書館において老人福祉関係の諸文献を調査,これらを手がかりとして厚生省,横浜市,(財)横浜市ホ-ム・ヘルプ協会,(財)世田谷ふれあい公社,(財)金沢市福祉サ-ビス公社,(財)崎玉県シルバ-サ-ビス公社といった在宅老人福祉サ-ビス関連の官庁や組織の調査を実施した。 2.新たにえられた知見 (1)開発型と管理型に第三セクタ-の類型化がほぼ固まった。(2)第三セクタ-の設立を助成の条件とする場合が多いが,本来立地条件がいいか,公共セクタ-による先行あるいは平行した公共投資,基盤整備があると成功するケ-スが多い。(3)稼動までにあまりにも時間がかかる開発型第三セクタ-はおおむね失敗している。したがって政府・自治体の助成よりも相当きびしい事前チェックが必要である。現状では経営不振の際の経営責任のあり方に問題がある。第三セクタ-のメリットを生かせる活動領域を管理型第三セクタ-を中心にかなり限定的にとらえる必要がある。(4)“第三セクタ-"の概念は諸外国における使用のしかたからすればかなり特異な使われ方がわが国ではおこなわれており,もう少し郷密に概念規定をしなおす必要がある。 3.今後の課題 一応のまとめをおこなったが,産業振興,とくに研究開発・リゾ-ト開発・福祉等については別の発表機会にゆずりたい。
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