研究概要 |
コンツェルンによるコンツェルンの併合,系列化,それに伴うコンツェルンの再編成,マネジメントの変革等,付随して再組織をめぐる諸問題の解決がもとめられている。今般のダイムラ-・コンツェンによるMBBコンツェルンの系列化の場合,ドイツ・エアロスペ-ス(DASA)の機構改革が注目される。特にそれまで企業分野(Unternehmensbereich)の1つにすぎなかったDASAは,これを機に株式会社として法人格を与えられると同時に,持株会社ダイムラ-・ベンツ株式会社の傘下の持株会社,すなわち中間持株会社Zwischenholdingとして性格づけられた。 このDASAの機構改革が「統合技術グル-プの形成」に向けられたもので,ダイムラ-・コンツェルンを国際的テクノロジ-・コンツェルンに相応しいものにしたことは言うまでもない。こうした動きの中で,再組織種類については事業部制の導入ばかりでなく,事業分野のスピン・オフ,持株会社の設置,企業の法的形態の変更,共同出資者の変更などが新たに付加される必要がある。ちなみに,これに関連して1980年から89年までにドイツ企業178社が行なった再組織についてのドイツ側の実証分析でも,それを裏づける結果が得られている。 いずれにせ,1983年以来ドイツにおける合併・系列化は急増の一途をたどり,1989年には前年にひき続き1.000件を上廻る1.415件を数えており、研究課題である再組織のマネジメントの理論的分析が実践の側からももとめられている状況にある。
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