本研究は財務会計研究の中心的テーマでありながら、近年の会計研究において必ずしも満足すべき進展を見ていないと思われる会計測定論を、記号論的アプローチという新たな視角から分析しようとするものである。 これまで、主として文献研究により、記号論的アプローチのなかでも意味論的観点から会計測定の分析的研究を行ってきた。その成果は「会計的思考モデル」という分析モデルの形で提案し、いくつかの取引分析を通じて、その分析的意義を強調してきた。 本年度は、これまでの研究で収集をしてきた資料、また公表成果をパソコンのうえで整理し、従来の成果をまとめる準備作業をしてきた。この作業はまだ緒についたばかりであるが、近い将来、これまでの研究をまとめた業績を公表するつもりである。かかる準備作業にあたって、パソコンは大きな力となることが実感された。 上記の意味論的会計思考モデルの構想から、実験的なものにせよ、意味論的会計データベースの具体化をパソコン上で実現してみたい。
|