I 前年度の実態調査において明らかにされた(1)調達合理化型、(1)積極的余資運用型および(3)利益補項サヤ取り型という「財テク」の三つの種型について、それぞれを代表する会社を複数選び、「財テク」への依存度合が財務諸表における経営成績および財政状態の表示にどのような影響を及ぼしているかを分析し、次のようなところを骨子とする質問票を作成し、調査対象会社に送付した。 (1)資金調達活動-調査対象年度におけるエクイティ-フャイナンスおよび借入れの目的と使途に関する状況と会社の意識。 (2)オンバランス資金運用活動-大口定期預金等の余資運用預金の利用状況と会計処理、特定金銭信託・ファンドトラストを含む有価証券投資の利用状況と会計処理。 (3)オフバランス資金運用活動-債券先物取引等についての利用目的と利用状況、運用管理体制と記録システムの内容およびその会計処理との関係。 II 上記(2)ないし(3)については回答を留保したものを含め58社から回答を得た。27社については回答できない旨の連絡があったが、残りの15社からは返答が得られなかった。回答を得た会社の中から特徴的なものを選び、そのうち3社について面接調査を行えた。その結果、「財テク」については、役員クラスが統轄し、それぞれに定められた社内運用ル-ルの下で、ファンドマネ-ジャ-がオンラインコンピュ-タシステムで運用を行ない、その売買手口を文書記録で跡づけている実態が明らかになった。 III 前年度に続き対象会社の最近年度の有価証券報告書総覧を収集し、一定の整理を加えてパソコンに入力し、デ-タの継続性を保つように資料の補強を行った。
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