代数群、有限群の理論と関連分野への応用

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63540009
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 阿部 英一 筑波大学, 数学系, 教授 (30015507)
• 研究分担者: 山形 邦夫 筑波大学, 数学系, 助教授 (60015849) ; 八牧 宏美 筑波大学, 数学系, 助教授 (60028199) ; 竹内 光弘 筑波大学, 数学系, 助教授 (00015950) ; 木村 達雄 筑波大学, 数学系, 助教授 (30022726) ; 太刀川 弘幸 筑波大学, 数学系, 教授 (20015473)
• キーワード: 代数群 / Chevalley群 / Kac-Moody群 / 量子群 / 概均質ベクトル空間 / highest weight 圏 / quasi-hereditary 多元環

研究概要

(1)可換環上のChevalley群の構造を研究し、阿部はその正規部分群を完全に決定し、またある種のDedekind整域上のChevalley群について、Tits系の構造の存在や生成元と基本関係による表示などについて、新しい結果を得た。これらの応用として、K_1、K_2関手の構造の研究の発展が期待される。また、八牧は有限群の構造について研究し、新しい結果を得た。
(2)代数群の量子化について研究し、竹内はとくに、古典群の場合について、ホップ代数の理論を用いて、その構造を明らかにした。今後、物理学や解析学と関連してその発展が期待される。
(3)概均質ベクトル空間の分類について研究し、木村は既約でない場合について、種々の条件のもとで分類を行った。これらの結果はD-加群やKac.Moodyリー環の理論とも関連し、相対不変式論などでの今後の発展が期待される。
(4)多元環の表現論について研究し、太刀川、山形などにより有限型および無限型の多元環の表現について研究が進められ、それぞれ新しい結果が得られた。highest weight圏やquasi-hereditary多元環の表現論は、多元環の表現論のみならず、代数群やリー環の表現論の代数的な研究に応用されるものとして、今後の発展が期待される。

研究成果

• [文献書誌] E.Abe: Contemporary Mathematics. 83. 1-17 (1989)
• [文献書誌] E.Abe;J.Morita: Journal of Algebra. 115. 450-465 (1988)
• [文献書誌] H.Tachikawa: Prospectives in Ring Theory. 311-320 (1988)
• [文献書誌] T.Kimura;S.Kasai;H.Hosokawa: Ann.Inst.Fourier. 38. 11-14 (1988)
• [文献書誌] T.Kimura: Adv.Stud.Pure Math.14. 223-256 (1989)
• [文献書誌] T.Kimura;S.Kasai;M.Inuzuka;O.Yasukura: Journal of Algebra. 114. 369-400 (1988)
• [文献書誌] M.Takeuchi;A.Buium: Journal of Algebra. 118. 14-19 (1988)
• [文献書誌] M.Takeuchi;Y.Doi: Journal of Algebra.
• [文献書誌] M.Takeuchi: Proceedings of Japan Academy.
• [文献書誌] K.Yamagata: Journal of Pure and Applied Algebra. 54. 311-319 (1988)
• [文献書誌] K.Yamagata: Journal of Algebra.
• [文献書誌] K.Yamagata;M.Uematsu: Hokkaido Journal of Mathematics.