63年度研究において次の問題を考察した。 (1)4次元多様体上の余次元3、コンパクト葉層の安定性について考察し次の結果を得た。 定理:Fを4次元多様体M上の円周を葉とするハウスドルフ葉層とする。更に、各葉は連続的に向きづけられていると仮定する。このとき、FがC^0-安定である必要十分条件は次の1つを満たすことである;(i)FがII型の特異葉をもつ、(ii)FがIII_2型の特異葉をもつ、(iii)X(e(M/F))≠0、(iv)X(M/F)≠0、ここで、M/Fは葉層空間で、X(M/F)はそのオイラー数である。 (2)4次元多様体上の全ての葉がクラインの壺である葉層の安定性について考察し、次の結果を得た。 定理;Fを4次元閉多様体M上のクラインの壺を葉とする葉層とする。このとき、Xv(M/F)^2+X(M/F)^2≠0ならば、FはC^1-安定である。ここで、Xv(M/F)はV-多様体M/FのV-オイラー数である。 又、Xv(M/F)=X(M/F)=0のとき、FがC^1-安定でない例についても考察した。
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