研究概要 |
この研究では、超函数の特異性の位数について、超局所的な定義う与え、その重要な性質を定理してまとめた。特異性を超局所的に考えるということは、特異性を与える場所と併せてどの方向に特異性があるかを考えることである。応用として フ-リエ積分作用素を作用させることにより 超函数の局所的な特異性の位数が どの様に移り変わるかを論じている。一階の双曲型擬微分作用素に対応する初期値問題の解は初期値uにより 時間tに依存するフ-リエ積分作用素でP_φuの形に表わすことが出来る。ここでP_φはp_<(x,y)>Es°をシンボルとしφ_<(x,y)>を相函数とする作用素である。微小時間tに対してはp_<(x,y)>は1に近く、消えていないとしてよく、この時 OS(P_<φu>;x,ξ/1ξ1)=OS(u;y,η/1η1) が成立する。ここでOS(u;y,η/1η1)はuのyでのη/1η1方向への特異性の位数を表わしている。(y,η)→(x,ξ)への対応はφを母函数とする正準変換である。即ちy=φ_n(x,η),ξ=φ_x(x,η)で定義されるものである。最後にOS(u,x_0,ξ_0)についての説明を付け加えておこう。f〓ε'に対してOS(f)=inf{_<2a(D,X)>f)}と記しOS(f:x_0,ξ_0)=inf OS(a(D<X)f) a〓5°,(x_0,ξ_0)〓(suppa) と定める。(x_0)〓(Suppa)はaがx_0ξ_0方向に消えていないことを意味する。次のダルブ一型の定理がなりたつ。^Vε>0に対してζ>0が存在してa(〓S°)の台が(x_0ξ_0の弧状のδ近傍にある時 OS(Fix_0ξ_0【less than or equal】OS(a_<(D,X)>f)【less than or equal】OS(f;x_0,ξ_0+ε が成立する。特異性の位数が超局所的に保存される事を示す最初の等式は 最後の不等式がa〓S°に対して成立する事を使って証明される。
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