研究課題/領域番号 |
63540119
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 稔 大阪大学, 工学部, 教授 (50029419)
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研究分担者 |
都田 艶子 大阪大学, 工学部, 教務職員 (80174150)
毛利 政行 大阪大学, 工学部, 助手 (80127307)
坂田 定久 大阪電気通信大学, 助教授 (60175362)
丸尾 健二 大阪大学, 工学部, 講師 (90028225)
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キーワード | 常微分方程式 / 安定性 / 漸近的性質 / 周期解 / 境界値問題 / 解の一意性 / リヤプノフの方法 / 不動点定理 |
研究概要 |
裏面、第1の論文では非有界区間に対する、準線形常微分方程式系の一般境界値問題の解の存在のための十分条件を、KARTSATOSの条件を大幅に弱めた。しかも定量的な形で与えた。更に具体的な条件を付加し、縮小写像の原理を用いて解の存在と一意性とを得た。第2の論文ではMATROSOV、SAKATA、LAーSALLE等の定理の条件をより弱めた条件の下で、複数個のリヤプノフ形関数を用いることにより、非線形系の解の漸近的性質を調べる判定法を与え、更に解の初期値に関する一意性を仮定すると、解の同程度漸近安定性が成立することを示した。この結果はHATVANI等多くの研究者の関心をひき、関聨する論文もいくつか報告されている。第3の論文では、リエナ-ル方程式に関し、LLOYDが得た、原点の近くに周期解が存在するための十分条件に、条件を少し付加すると、原点を含む、方程式のみによって定まるある領域内で周期解が一意に存在することを示した。第4の論文では指数安定な非線形系に対し、攝動項が入っても指数安定性が保たれるための十分条件を、過去に得られていた結果を弱める形で与えた。第5の論文ではFITZHUGHによる神経モデルの方程式を、リエナ-ル方程式に変換することにより、周期解の存在の十分条件を、今迄得られていた条件を大幅に改良した条件下で与えている。第6の論文ではCRONINの周期解の存在定理、HALEによる微小パラメタ-に関する、周期解の連続的依存性定理の2つの有名な定理を、パラメタ-を含む、より一般な準線形系に拡張し、しかも、より弱い条件のもとで、周期解の存在とそのパラメタ-への連続的依存性を示している。以上のすべての論文の共通している特質は、十分条件を弱めるだけでなく、より具体的、定量的な条件として与え、応用し易い形にしていることであり、これらはすべて日本数学会、研究集会等で発表すみのものである。
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