研究概要 |
平成2年度一般研究(C)研究成果の報告 東北大学加藤順二教授,広島大学草野尚教授,岡山理科大学吉沢太郎教授との研究でよりrefineされた研究論文を1981ー1982年に山本が,1981ー1986年に坂田(電気通信大学)が,また1987年より山本が院生齋藤,和田(当時)と数編発表して,これらは海外でも高く評価されMathematical ReviewにもGraef教授(アメリカ)によってこのことが記されており、またHatvani教授(ハンガリ-)Matrosov教授(ソビエト)も強く関心を寄せて,国際シンポジウムでもこのような研究は制御理論等への応用の上からも今後非常に重要であるので是非共同研究を行いたいと述べている. 不動点定理を用いた準線形系の周期解の存在,パラメ-タへの依存性境界値問題の解の存在については齋藤との間で1987年以来学士院欧文紀要に相次いで速報され,その後1987ー1989年にFull Paperを発表,パラメ-タへの依存性の論文はアメリカのこの分野の専門誌に受理され印刷中である.更に,不動点定理を用いた解の安定性の論文も完成している.この方法が安定性理論に適用されたのははじめてで今後の発展が大いに期待される.また不変原理をLaSalle(アメリカ),Matrosov,Hatvaniの定理より更に拡張した形で得ており,和田(大阪府立大学)との論文は既に1989年,村上(徳島大学)との論文も1989年に出版,この結果はHatvani教授等により,その論文でしばしば引用され高く評価されている.振動性に関する論文も大学院生長渕との間で完成し1988年に発表され,続いて大学院生大江との指数漸近安定性の論文(1990年),杉江(岡山大学)との論文も1990年出版されている.またEmdenーFowler型,Lienard型の方程式の解の振動性に関する論文もすでに完成(1991年)し,近日中に投稿予定である.これらは互いに密接な関連をもつもので,ほぼ満足できる成果であると考えられる.
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