研究課題/領域番号 |
63540135
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
八木 厚志 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (70116119)
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研究分担者 |
竹田 雅好 姫路工業大学, 工学部, 講師 (30179650)
岩崎 千里 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30028261)
寺岡 義伸 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (20047616)
幸原 昭 姫路工業大学, 工学部, 教授 (60047553)
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キーワード | Banach空間 / 線形作用素 / H^∞関数計算 / gー関数評価 / 作用素の分数巾 |
研究概要 |
Banach空間Xに作用する一つの閉線形作用素Aについて、Aのスペクトル集合σ(A)の近傍で有界かつ正則なすべての関数fに対して、自然な方法により、fのAでの値f(A)がXの有界作用素として定義されるとき、この対応f→f(A)をAのH^∞関数計算という。Banach空間XがL^p(1<p<∞)空間で、Aのスペクトル集合σ(A)がある角領域Sに含まれている場合について次のような成果が得られた。AについてのH^∞関数計算が存在することと、Aに対する2乗積分の形をしたgー関数g(ψ)=S_Γ1A^<1/2>(λ-A)^<-1>|^2ψ|^2dλ、ΓはSの外を走る積分路、ψ〓L^p、に対して、評価式||g(ψ)||L^p【less than or equal】C||ψ||L^pが成立することとは同値であることが示された。これは、Hilbert空間の場合の同様な結果の、L^p空間への拡張である。次に、AがH^∞関数計算を持てば、Aの純虚数巾A^<2^^〜y>(-∞<y<∞)はXの有界作用素であることが分かる。Hilbert空間では、この逆、すなわちA^<2^^〜y>が有界作用素になれば、AはH^∞関数計算をもつことが示された。しかし、このことは、L^p空間ではもはや成立しないことが明らかになった。また、AがH^∞関数計算をもてば、Aの分数巾A^θ(0<θ<1)と、Aの定義域D(A)とXの補間空間に関して、D(A^θ)=[X,D(A)]_<1-θ>がすべての0<θ<1について成立することが示された。Hilbert空間ではこの逆も成立したが、L^p空間の場合では、成立するかどうか分からなかった。偏微分方程式への応用に関しては、係数が十分滑らかな楕円型微分作用素から定まる線形作用素は、L^p空間で、H^∞何数計算をもつことが分かった。イタリアの数学者達により、H^∞関数計算をもつような解析的半群の生成作用素Aについて、発展方程式du/dt+Au=ψ(t)はL^p(O,T;X)でMaximal Regularityをもつことが報告された。
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