研究課題/領域番号 |
63540162
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石谷 寛 三重大学, 教育学部, 助教授 (80030790)
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研究分担者 |
辻 正司 三重大学, 教育学部, 教授 (20024482)
黒川 都史子 三重大学, 教育学部, 教授 (80024446)
土川 真夫 三重大学, 教育学部, 教授 (30024425)
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キーワード | 中心極限定理 / PerronーFrobenius作用素 / constrictive transformation |
研究概要 |
(1) 測度空間上の点変換の共役な作用素である、いわゆるPerronーFrobenius作用素のスペクトル構造を詳細に調べ、それにより極限定理をみたすことを特徴付ける変換と関数の性質を研究することが本研究の主たる目標であった。この目的のため、まず、既知の研究、例えばWong Keller、Jabtonski、Malczak、RousseauーEgele、Lassta、Li、Yarke等々、の結果を収集整理し、それらを分析し、新しい定式化を試みた。その結果、まず第一に、Random Iterationsに関する中心極限定理の収束の速さに関する著しい改良結果が得られ、これにより過去の一次元の変換に対するさまざまの中心極限定理、Kac、Wong、Ishitaui、Keller、RousseauーEgele等の結果が統合され、改良された。これにより、一次元の変換に対する中心極限定理は、収束の速さに関しては、ほぼ終ったといえよう。 第二に、LasataーLiーYorkeの定理の更なる深化により、constrictiveな変換に関する一般的な中心極限定理が得られた。さらにその一つの応用例として、ψーmixingな定常列に対する中心極限定理の別証明が与られ、その収束のorderがbest Possibleであることが示された。 (2) 上記の結果は、本科研費を用いて、さまざまな研究集会等で、アナウンスされ、活発な議論をまきおこした。 (3) 本研究は多くの分野と関係している(たとえば、力学系、確率論関数論、作用素論、表現論等)。それらの分野から講師を招待して、活発な議論をした。 (4) 物理学と関連した、最近の数学のある方向への発展は本研究と密接な関係をしているので、研究集会に参加して、興味ある意見の交換を行った。 (5) 古典作品を集め、整理して全体の把握に努めた。
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