研究課題
ノンパラメトリックな推測の方法の挙動は真の母集団分布に依存する。そこで母集団分布について広い範囲の分布のもとで、ある程度の最適性を保持する推測の方法について研究した。この研究においては特に研究目的達成のための有力な方法として、利用しうる事前情報の積極的な活用を中心に研究を進めた。すなわち予備的推測を行いベイズ的方法と異なった形での事前情報の活用を行なう。母集団分布が正規分布の場合について、予備情報に基づく母分散の推測方式について研究した。通常、母分散の^2の推定量としては標本不偏分散推定量を用いるのであるが、母分散の^2に関してなんらかの事前情報がある場合は、その情報を利用したの^2の推定量を構成するのが自然であろう。いま、未知母分散の^2の値は既知の値の^2に概略的に近似するという情報がある場合の分散の推測について研究した。具体的には、母分散の^2が既知のの^2を含む区間の中にあるという事前情報に基づいて、未知母分散の^2に対する新しい推測方式を提示した。この推測方式は、平均二乗誤差を推測の良さの基準として、予備検定推定方式と比較して、より優れていることを示した。これらの研究の結果は、昭和63年10月20日に日本計算機統計学会シンポジウムで発表した。
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