特異摂動拡散反応系の安定性と分岐-2次元パターン形成の数理

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63540181
• 研究機関: 京都産業大学
• 研究代表者: 藤井 宏 京都産業大学, 計算機科学研究所, 教授 (90065839)
• 研究分担者: 西浦 廉政 京都産業大学, 計算機科学研究所, 助教授 (00131277) ; 細野 雄三 京都産業大学, 計算機科学研究所, 教授 (50008877)
• キーワード: 拡散反応方程式系 / 特異摂動問題 / 特異摂動解の安定性 / 特異極限安定性理論 / SLEP法 / 進行波解の分岐理論 / ヘテロクリニック分岐 / ホモクリニック分岐 / 個体群生態学 / 生物の集合現象 / 最適移動モデル

研究概要

本研究では、次のようなテーマにたいして重要な成果が得られた。
(i)「特異極限の方法による安定性理論の基礎づけ」については、従来の有限区間上のみでなく、さらに、進行波解など無限区間にわたるスペクトルの挙動について、詳しい様子が明らかになった。
(ii)「特異極限分岐問題への拡張」によって、遷移層の時間的空間的振動を引き起こすHopf分岐、進行波解の2次元的進行波への分岐、などへの、新知見が得られた。さらに、
(iii)「進行波解の分岐理論」として、一般分類定理を得た。
(iv)「ヘテロクリニックおよびホモクリニック分岐への応用」もまた特異極限の方法によって可能になり、深い結果が得られている。
(v)「個体群生態学に現れる集合現象」では、最適移動モデルをとおして、生物の集合現象の数理的理解のために、多くの結果を得た。

研究成果

• [文献書誌] Y.Nishiura,;M.Mimura,;H.Ikeda,;H.Fujii: SIAM J.Math.Anal.
• [文献書誌] Y.Hosono.: IMACS Trans.on Scientific Computing-"88_" Vol.1.1 and 1,2:Numerical and Applied Mathematics.
• [文献書誌] Y.Nishiura,;M.Mimura.: SIAM J.Appl.Math.
• [文献書誌] P.Grindrod&Y.Hosono.: IMA J.Appl.Math.
• [文献書誌] Y.Hosono,;M.Mimura.: SIAM J.Math Anal.
• [文献書誌] Y.Nishiura.: Proceedings of the Workshop on Nonlinear PDEs,Provo,Utah,March 1987.