太陽フレアから放射される高エネルギー(硬)X線とマイクロ波は、コロナで加速された電子が磁気ループに沿って彩暦に下降する際放射するものか(precipitationモデル)、それとも磁気ループに捕捉されつつ放射するものか(trapモデル)、粒子加速機構と関連して議論の争点となっている。 本研究では、観測される硬X線のエネルギー・スペクトルとマイクロ波の周波数スペクトルより、それぞれ独立に電子のエネルギー・スペクトルを求め、両者を比較することにより、上記二つの放射モデルのいずれが正しいか検定を行う。 本年度はフレアの電波観測および観測データの解析を行った。X線データについては、米国SMM衛星のX線スペクトル研究班(Dr.B.R.Dennis)に協力を依頼し、野辺山と同時観測されたフレアにつきX線のエネルギー・スペクトルを解析した。一方、電波のデータは、名大空電研究所の協力を得て解析を行った。 解析の途中結果は、当初の予想に反して、上記二つのモデルの中間を示している。この結果の解釈については、現在理論計算を行い検討を加えている段階である。
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