非粘性、定常状態を仮定し、角速度が回転軸からの距離のみによる場合の回転星と自己重力アクリーションディスクの構造とその内部に励起される子午面流を求める計算コードを開発した。状態方程式は理想気体のものとし、吸収係数はK=K_0δ^αT^<-β>として扱い、点状のエネルギー源を仮定した。さらに、流れの速度がおそいとすると、密度・温度・圧力等の内部構造は遠心力ポテンシャルと重力ポテンシャルの和のみの関数となる。このとき、等ポテンシャル面上で平均操作をおこなうと、方程式系から流れの項を落ろことが可能となる。この平均操作をした方程式を解いて求まった構造を使って、もともとの方程式から流れのパターンを求める計算コードが得られた。 このコードを使用した計算によって得られた結果は次のとうりである。子午面内の流れのパターンは回転則に大きく依存している。トポロジーが球状の場合には、一様回転させると、流れは大きな二つのゾーンにわかれる。その一つは、中心部の対流核から流れ出し、回転軸に沿って上昇するが、途中で方向をかえて赤道方向へと流れ、赤道面に沿って中心対流核へともどっていくものであり、もう一つは、回転軸に沿って表面付近から内部へと流れ込み、方向をかえて赤道面へと流れ、赤道面に沿って表面へともどっていくものである。ところが、角速度が非一様なときには、赤道付近では表面から対流核へ向かう方向の流れのみであり、回転軸付近では対流核から表面に向かう流れのみとなる。また、構造がリング的なものの場合には、リング状のエネルギー源分布に対し、一様回転では二つのゾーンにわかれるが、非一様回転では大きな一つのゾーンしか発生しない。これらの流れのパターンは物質の混合に大きく影響すると思われるので、回転則の違いが進化の違いにあらわれてくると予想される。
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