自己重力のあるトロイドの定常解を粘性による発生を考慮して求めた。角速度分布は、速度一定および単位質量当たりの角運動量一定の場合を考えた。一方、熱源は粘性による熱の発生を扱い、ε=νR^2(dΩ/dR)^2という形でエネルギ-発生率を組み紺だ。ここで、νは運動粘性率であるが、その値は十分にはわかっていないため、パラメ-タ-として扱った。 リング状のエネルギ-発生では、放射のみではエネルギ-を輸送することができず、そのリングを取り巻くトロイドの対流領域があらわれる。しかし、粘性によるエネルギ-発生を考慮しても、全体の構造は自己重力と回転則でほぼ決まるため、トロイド温度密度分布はそれほど大きな変化を考慮しても、全体の構造は自己重力と回転則でほぼ決まるため、トロイドの温度密度分布はそれほど大きな変化を受けない。一方、粘性により発生したエネルギ-は回転軸からの距離が近いものほど多いが、構造自体には対流不安定な領域はなく、したがって子牛面還流に伴って輸送されなくてはならないことになる。その流れは赤道面上・下対称でそれぞれの領域の全体を流れることがわかった。上半部では時計まわりの流れとなる。もちろん、トロイドの構造を回転軸に非常に近接させたり、νの値を大きくすることで放射圧が重要になってくると中心部にトロイド状に対流領域が発生する。 この流れによる角運動量輸送で、角速度分布が変化する。もし、流れのない定常状態へ落ち着くとすれば、温度一定の面が圧力一定の面より全体として回転軸方向へ変位したものであり、その場合の角速度分布はdΩ/dz<Oとなることがわかる。この角速度分布ではGoldreich-Schubert不安定となり、現実には子牛面還流のない角速度分布とバロトロピックな分布との間で振動している可能性が強いが、その解明は粘性と時間依存性を同時に考慮しなくてはならず、現在そのための計算法を開発しつつある段階である。
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