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1988 年度 実績報告書

中性子過剰核の微視的理論による研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540206
研究機関東京大学

研究代表者

佐川 弘幸  東京大学, 理学部, 助手 (50178589)

研究分担者 矢崎 紘一  東京大学, 理学部, 教授 (60012382)
有馬 朗人  東京大学, 理学部, 教授 (40011465)
鈴木 俊夫  日本大学, 理学部, 助手 (70139070)
キーワード中性子過剰核 / 重イオン散乱 / グラウバー模型 / 殻模型 / ハートリー・フォック模型 / 巨大共鳴 / 磁気的形状因子
研究概要

我々の今年度の研究は大きく分けて1.中性子過剰核の密度分布の研究、2.大次元殻模型計算による軽い原子核の研究。3.過剰中性子の電磁気的性質。である。以下にそれぞれについてまとめる。
1.重イオン散乱からの2次粒子束を利用した実験で^<11>Li+^<12>Beの反応断面積が異常に大きくなっている事が発見された。これは原子核の半径が異常に大きくなっている事を意味している。我々はこれらの原子核が非常に小さな分離エネルギーを持っている事に注目しその効果を波動関数に取り入れると、原子核の半径が大きく増加する事を示した。又、この波動関数を使ってのグラウバー模型計算は実験の反応断面積をうまく再現する事も示した。
2.P殻原子核と考えられる^<11>Beの基底状態のスピン・パリティが1/2^+である事はこの原子核近傍で核構造が大きく変化している事を示している。その為^<11>Lif^<12>Beでもsd殻配位の基底状態への混じりが予想される。この効果を大次元殻模型計算で研究し、P1/2殻配位にsd殻配位が10%位混じっている事が示された。しかしこの効果は核半径をたかだか0.5%位しか増やさない。このような閉殻構造のくずれは巨大共鳴の励起エネルギーに大きな影響をもち我々の計算は低いエネルギー領域での強い遷移強度を持つ状態(Ex【approximately equal】15MeV)を予言しており実験的検証がまたれる。
3.過剰中性子の波動関数の拡がりを調べるには電子散乱の形状因子が有力な情報を与える。我々は^<17>Oや^<41>Caの磁気的形状因子をいくつかの波動関数を用いて研究し、ハートリー・フォック型波動関数が良い一致を与える事を示した。一方、鏡映核間のクーロンエネルギー差も過剰中性子の拡がりに敏感である事が知られており、実験の磁気的形状因子を再現するハートリー・フォック型波動関数は以前からノーレン・シッファー異常として知られている理論と実験の差を半分位に小さくする事を示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 佐川弘幸: Proc.of int.summer institute in theoretical physics. (1988)

  • [文献書誌] 鈴木俊夫: Phys.Rev.C. 37. 549-552 (1988)

  • [文献書誌] 有馬朗人: Z.Phys.A-Atomic Nuclei. 331. 299-303 (1988)

  • [文献書誌] 一井信吾: Nucl.Phys.A. 487. 493-543 (1988)

  • [文献書誌] 松本晶彦: Nuclear physics A. 477. 673-695 (1988)

  • [文献書誌] 森松治: Nuclear phsics A. 483. 493-513 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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