研究概要 |
研究実施計画にしたがって行った具体的研究の概要と得られた成果について以下に列記する。 1.QCDで閉じ込めにおいてア-ベリアン成分が主要な役割を果たしているかどうかを調べるためにabelian projectionとよばれるゲ-ジ固定をしたのちabelian Wilson loopsをMonte Carlo法による計算機シミュレ-ションで詳しく測定した。使用した計算機は高エネルギ-研究所のス-パ-コンピュ-タ-S820を100時間、東大のS820と京大のVP400を併せて100時間程度の珪酸を行った。その結果きわめて興味ある成果を得た。即ちU(1)共変ゲ-ジでゲ-ジ固定をした場合はabelian Wilson loopがゲ-ジ固定前に比べて大変に大きくなりfull Wilson loopと完全に一致をしstring tensionも同じ値が得られた。一方ユニタリ-ゲ-ジではこのようなことはみられなかった。このデ-タはU(1)共変ゲ-ジではア-ベリアン的に閉じ込めが理解できることを示唆している。これらの興味ある成果はその他の成果と共にT.Suzuki and I.Yotsuyanagi,Prossible evidence for abelian dominance in quark confinement,preprint DPKU-8909として速報にまとめられ投稿中でありまた本文をまとめつつある。 2.昨年度我々が導いたdual Ginzburg-Landau theoryと呼べるQCDの赤外有効理論の運動方程式を古典的に数値的に解き静的カラ-電荷が存在しているときの静的ポテンシャルを求めた。中間子系の場合は予想通りきれいな線形のポテンシャルが得られ閉じ込めの世界の真空は第一種と第二種の境界のデュアル超伝導体になっていることがわかった。3体の重粒子系の場合は現在進行中だが興味ある結果を得つつある。初期の成果はS.Maedan,Y.Matsubara and T.Suzuki,Abelian confinenment mechanism and the QCD vacuum,preprint DPKU-8907にまとめられ投稿中である。その他解析的研究もいくつか行った。
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