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1988 年度 実績報告書

荷電粒子検出用高感度アモルファスシリコン半導体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63540212
研究機関岐阜大学

研究代表者

田坂 茂樹  岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60155059)

研究分担者 中澤 和馬  岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60198059)
中島 一久  高エネルギー物理学研究所, 助手 (80164177)
仁田 昌二  岐阜大学, 工学部, 教授 (90021584)
キーワードアモルファスシリコン半導体 / 放射線検出器 / Radiation damage / 素粒子実験 / 測定器開発
研究概要

研究の目的は単結晶シリコン半導体に代わる新しい放射線検出器として、高感度の水素化アモルファス・シリコン半導体(a-Si:H)を製作して、その物性特性と放射線に対する感度やRadiation damageなどの基礎実験を行うことである。a-Si:Hは(1)安価(2)大面積が容易(3)多量構造化デバイス(4)任意の形状化可能(5)Radiation hardなどの利点を有する。
a-Si:Hは誘導結合型プラズマCVD装置を用いて、ガラス透明電極基板の上にp-i-n層を形成して製作した。i層の厚みは2.9、3.8μmで、電極は円形で直径1、2、3mmである。最初逆バイアス電圧を30Vまで徐々に印加してリーク電流を測定した、その値は10nA以下であった。次に波長660nmのパルス光を使って電極の裏側から走査して感度テストを行った。そしてアメリシウムからの5MeVのα線を照射して、プレアンプからの出力信号をPHAで測定した。バイアス電圧を9Vから63Vまで上げて行くと、シグナル電子数は6千個から2万個まで増加した。これ以上の電圧はbreak downのため不可能であった。シグナル電子数はノイズ電子数千個と比較して十分大きいが、期待される電子数の約2割であった(a-Si:HのW値は6eVである)。現在この原因についてはα線の照射角度を変えたり、数MeVの陽子の照射実験を行って検討中である。またRadiation damageについての実験も計画している。今後さらにβ線などのminimum ionizing粒子を検出するために、次の技術開発を目標としている。(1)厚さ10μm以下で30V/μm以上のバイアス電圧が印加できるデバイス製作(2)局在準位密度を10^<16>から10^<15>Cm^<-3>eV^<-1>以下まで下げる(3)p-i-nの多層構造とpixel、stripデバイスの製作。これらの開発により、電子と正孔の平均拡散長はそれぞれ約3000μm、600μmとなり、100μmの厚さのデバイスでも十分な効率で電子と正孔を集めることが可能となり、minimum ionizing粒子でもS/Nが10以上で検出可能となるであろう。

研究成果

(1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田坂茂樹: 日本物理学会第44回年会 素粒子実験分科31aN9.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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