研究課題/領域番号 |
63540220
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
久保 禮次郎 広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (60034609)
|
研究分担者 |
上原 正三 広島大学, 理論物理学研究所, 助手 (20168652)
佐々木 隆 広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (20154007)
藤川 和男 広島大学, 理論物理学研究所, 教授 (30013436)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | ス-パ-プライマリフィ-ルド / スピン3W代数 / ス-パ-化 / Virasoro代数 / K-N代数 / 弦理論 / 26次元 / リ-マン面 |
研究概要 |
63年度は、共形不変場の理論の基本的諸問題の解明に関して、いくつかの成果が挙げられた。まず、整数および半整数スピンをもつス-パ-プライマリ-フィ-ルドを構成する一般的な方法が得られ、Fateev達によって与えられたスピン3代数のス-パ-化が不可能であることが、佐々木隆達によって示された。通常のVirasoro代数をその中に含む大きな代数、いわゆるK-N代数が最近kricheverとnovikovによって発見され、久保達は特にtorus上のK-N代数、Kac-Moody-K-N代数などの基本的な性質を見いだした。また、弦理論におけるBRSカレントの異常性について新しい知見が得られ、これに関連して26次元以外で弦理面は量子化可能であることが藤川達によって示された。以上の他に、久保はリ-マン面上での経路積分の一般化を試み、上原達はス-パ-リ-マン面上のカオス的性質について新しい知見を得た。 平成元年度においては、それぞれの研究領域を拡大しつつ新しい研究課題にも取り組んだ。久保達は、K-N代数に基づいてリ-マン面上の場の量子論を定式化し、佐々木達は、可積分系としての戸田格子理論の研究を行なった。これらの方法は、共形場理論に今後大きな進展をもたらすものと期待される。 平成元年2月6日-8日の3日間にわたり、広島大学理論物理学研究所において研究会「Beyond Riemann Surfaces」)を開催した。この会においてなされた講演は、位相幾何的場の理論、可解モデルとlink Polynomiasl、共形場の理論の大局的な構造、3、4次元多様体のトポロジイ、K-N代数、Kac-Moody Lie群、基本群とラプラシアン、そして3次元重力など多彩であった。共形不変な場の理論を越える有力な理論があるかどうか究明することが、この研究会の重要な課題であったが、数学者や物性物理学者などの参加を得て、ある程度の見通しと将来への指針が得られたことは大変有意義であった。
|