研究課題/領域番号 |
63540223
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
植原 正行 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30037171)
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研究分担者 |
米山 博志 佐賀大学, 理工学部, 助手 (50210795)
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キーワード | スキルミオン / ソリトン模型 / 集団座標法 / 生成座標法 / コヒーレント状態 / パイオン / 核子 / スファレロン / 熱的転移 / モンテカルロ法 |
研究概要 |
今年度はSkyrmion modelについて佐賀大学で11月28、29日の両日研究会を行なった。研究会のテーマは"Low Energy Baryon-Meson SystemとしてのSkyrmion Modelの明日"とし、参加者は、藤井寛治北大教授、乙藤岳志秋田大助教授、土岐博都立大助教授、沢田昭二名大助教授、小津秀晴名大助手、林明久福井大助教授、若松正志阪大助手、大槻昭一郎九大教授、豊田文彦近畿大教授、佐賀大学の植原、米山その他九大、佐大の大学院生であった。学外の参加者はいずれもSkrymion Modelについては世界的権威であり、研究発表も相互の討論も実り多く、参加者には大変好評であった。 研究については、前年からの問題であった生残りの湯川結合と新たに古典解によるボルン項の意味について考察をすすめた。後者については、1+1φ^4キンク模型を用いて、集団座標量子化法の下では古典解の寄与はボルン項の他に同時刻交換子項があって、それらが互いにキャンセルしていることを証明した。(論文1)同じCancellationがSkyrmion modelにも成立することを証明し、更に、集団座標量子化法によらないソリトンの量子化法として、コヒーレント表示と生成座標量子化法を導入し、ソリトンの質量とπ-N散乱振幅を計算する方法を開発した。この方法で望みの湯川結合が極く自然に導かれ、正しいボルン項を持ったπ-N散乱振幅を与えることに成功した。(論文2)宇宙のバリオン数非対称性に関連して不安定な古典解であるスファレロンが介在する熱的転移の機構を研究した。1+1次元φ^4キンク模型を用いてスファレロン=キンク反キンク対の生成をモンテカルロおよび古典的運動方程式を数値的に解くことにより調べた。低温側では古典的ボルツマン則に従うように、高温側でそれからのズレがあるようにみえるが、有限体積の影響を見る等、より注意深い分析が必要な事が解った。
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