本年度計画は、1.通信回線としてNTT第一種DDXを設置する。2.現有パソコンにデータ多重装置(PAD)を付設して、高エネルギー物理学研究所(KEK)大型計算機の端末器とする。3.トリスタン実験データの解析をはじめる。であった。 1.については、本年度7月に設置された。これはNTTが実施している国内用のデータ通信ネットワークであって、特定通信回線を通して行うパケット交換方式(DDX-P)によるものである。 2.については、KEKとの通信に実績のある機種を選んだ。PADの役割は、非パケット型端末器からのデータのやり取りに、パケット化又非パケット化することである。PADのパラメータの設定に多少時間を要したが、NTT及び業者の協力でこれも適切に設定され、KEKとの通信が定常的に行われるようになった。 3.については次のことを行った。 (1)トリスタン実験データファイル、解析プログラムファイル及び計算出力ファイルをホスト計算機と端末との間に相互に転送可能なプログラム、及びこれら転送されて来るファイルを解読可能な形式に変換するプログラム等の端末ソフトの準備を行った。これにはトリスタン研究グループの協力を得た。 (2)トリスタン実験データは豊富な内容を含んでいるので、多方面からの解析が必要である。本研究では、光子-光子による共鳴粒子の発生をテーマとして取り上げている。そのためのモンテカルロ・シミュレーションを開始し、現在進行中である。
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