研究課題/領域番号 |
63540227
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
立山 暢人 神奈川大学, 工学部, 助教授 (30102239)
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研究分担者 |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90167536)
白井 達也 神奈川大学, 工学部, 助教授 (20102238)
平良 俊雄 神奈川大学, 工学部, 教授 (10101320)
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キーワード | 宇宙線反陽子 / 低エネルギ-反陽子 / 原子核乾板実験 / 荷電粒子飛跡自動解析 |
研究概要 |
一次宇宙線中の低エネルギ-反陽子の観測は宇宙線の銀河伝播、原始反物質の存在検証などに大きな手がかりを与えるものである。本実験は原子核乾板をもちい、乾板中の荷電粒子の飛跡の中から反陽子を、その静止パタン識別をして捜し出すことである。原子核乾板(乳剤の厚さは600μm)の顕微鏡画像をイメ-ジ画像に取り込み、数多くの荷電粒子の背景雑音の中から、反陽子の候補イベントを自動判別する画像処理法を開発した。使用した装置はミニコン、精密座標測定器、イメ-ジ・プロセッサ-、ビデオ記録装置である。 (1)一顕微鏡視野(400×400μm)について、焦点深度を変え24画像を取り込み、一画像当り512画素、8ビット階調で各画像の処理をして荷電粒子の飛跡を強調した画像を再生する。ステ-ジを400μmステップで自動駆動させ、これらの画像を8mmテ-プ(約550画面)に記録する。このビデオを再生させ、加速器実験から得られている。静止パタンと同型の飛跡の探索を行った。今後も探索を続け有意な結果を得た段階で論文にする。 (2)一視野24画像について画像処理法を検討した。反陽子の静止パタンの判定を自動化するには、背景雑音除去の最適化と粒子飛跡の再現化の組合せが難しい。本研究では2値化デ-タをHOUGH変換により荷電粒子飛跡のみに再現した。また、この方法は他の実験に於ても有効な飛跡判定法であり、現在新しい方法を開発している。 (3)シミュレ-ションにより我々の測定器で得られる反陽子/陽子比の上限値を求めた。しきい値150MeVで5.2×10^<-5>、170MeVで7.0×10^<-5>であり、最近アメリカのグル-プが出した結果とほぼ同程度の結果が得られることが分かった。 今後は(1)、(2)について研究を続ける。
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