量子異常項を実効的に表現する4次元のWess-Zumino模型において、異常項が正準構造に与える影響を考察し、ガウスの法則の破れと、対応するカレント代数に現れるシュヴインガ-項を計算し、ゲ-ジ場に質量項がある場合には、ガウス則の関係式がDiracの第2種拘束系として解けることが示せた。このため、この理論は量子化することができた。この結果を利用して、フェルミ場を含んだアノ-マラスな理論の量子化についても同様な考察を行ない、論文(1)(2)で発表した。次に位相幾何学的な場の理論のBRST量子化をBatalin-Fradkin-Vilkoviskyの方法を用いてシステマティックに実行し、4次元の位相幾何学的Yang-Mills理論と2次元の位相幾何学的シグマ模型についての結果を論文(3)で発表した。現在はChern-Simons項がboson-fermion transmutationを引き起す機構を幾何学的手法を用いて研究している。場の理論の位相幾何学的な側面の研究はこれからもますます重要になると思われる。
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