シンクロトロン放射光を光源として用いたミリ波分光研究を行った。先ずシンクロトロン放射光がミリ波領域において完全に連続な高輝度光源であることを明らかとするため、分子科学研究所の放射光施設(UVSOR)に既設の分光装置をミリ波用に改良した。次に、その装置を用いて、ミリ波領域の放射光の基本的特性を明らかとするため強度・偏光特性・光強度の蓄積電流依存性等を測定した。これにより、放射光が従来の熱輻射型光源よりもはるかに高輝度性を有するミリ波光源であることを明らかとした。 現在、エネルギーにして2.5cm-1(波長4mmの光に相当)以上の領域での分光研究が可能であり、将来は、ミリ波領域のみに固有の感度を持つ検出器を併用することにより更に有効波長域を長波長側に拡張することも可能である。
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