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1989 年度 実績報告書

電スピン共鳴による価数揺動物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540240
研究機関宮城教育大学

研究代表者

千葉 芳明  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40113881)

研究分担者 伊達 宗行  大坂大学, 理学部, 教授 (80028076)
キーワード電子スピン共鳴 / 価数揺動物質 / 強磁場ESR / 短距離秩序 / g-シフト / 電子キャリア-型高温超伝導体
研究概要

1.GdB_6のESR
これまで、申請者等は、SmB_6YbB_<12>を中心にした価数揺動物質のESRの研究を行ってきた。このRB_6(Rは希土類金属)型の物質は希土類イオンを換えると、その物性も様々に変化する。例えば、CeB_6では、高濃度近藤系、SmB_6は、価数揺動を示す。また、GdB_6は単純なハイゼンベルグ型の反強磁性体と考えられる。
本年度は、価数揺動系のESRと比較するために、このGdB_6のESRの研究をまず行った。これまでこの物質については、多結晶の試料を用いた研究はあるが、単結晶のESRの研究は今回が初めてである。その結果、常磁性領域でのESRシグナルとともに、非常にブロ-ドながら、反強磁性共鳴の観測に成功した。(第44回日本物理学会講演予稿集〕
2.Nd_2CuO_4のESR
価数揺動と同様な強い電子相関をもつ物質の研究を拡げて、最近注目されている電子キャリア-型の高温超伝導物質のNd_2CuO_4のESRをX-バンドのマイクロ波を用いて行った。
その結果、30K以下で非常にブロ-ドなスペクトルを発見した。これは、Ndスピンによるもので5Kの温度でg値が異常に減少する現象と異方性が現れることを見いだした。10K以上の温度では、gの値は一定(0.85)で等方的であった。この値は、Ndの自由イオンの値に近い。また10K以下のgの-シフトはNdスピンの短距離秩序によるものであることを明らかにした。〔関連事項はJ.Magn.Magn.Mater.投稿中である。速報は、J.Phys.Soc.Jpn.に投稿予定である。〕
3.価数揺動物質の強磁場ESR
大阪大学極限物質研究センタ-と共同で、パルス強磁場を用いたESR測定装置を完成させた。これを利用して、SmB_6、ybB_<12>等を中心とした価数揺動物質および重い電子系の強磁場ESRの観測を、現在開始している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.Kontani,Y.Chiba,K.Sugiyama,Y.Hidaka,M.Hikita,M.Date.: "Anmalous Electron Spin Resonance in Nd_2CuO_4." J.Phys.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] O.Kondo.M.Ono,N,Kontani,Y.Chiba,K.Sugiyama,A.Yamagishi,M.M.Hikita,Y,Hidaka,M.Date.: "High field Magnetization of Nd_2CuO_4." J.Magn.Magn.Mater.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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