本研究の目的は、圧力と光励起をうまく制御することによる二硫化炭素のポリマー化の光スペクトルによるその生成メカニズムの解明である。 1.印加圧力のコントロールのために、従来の超高圧ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)のピストン移動を微少に変化できるようにギアを用いて改良することに成功した。まず手始めに、圧力に非常に敏感なメチレンハライド系の振動モード間の共鳴現象の観測(圧力の微少変化が重要)に適用し、予想以上の好成果を得た。(研究発表欄参照)。これにより圧力制御法が確立された。 2.光励起については、レーザー光強度のポリマー化の過程でのコントロールであり、まず最初にこれまでよく知られている(ポリ)チオフェンに適用し、チオフェンの圧力とレーザー光強度によるポリ化をラマン散乱により観察することにより(研究発表欄参照)、光励起の制御法を確立した。 3.二硫化炭素のポリマー化の過程での可視光スペクトル測定のために、大型の実体顕微鏡を購入し、DAC観測用に顕微システムを改造・制作し、現在やっと可稼しだしたところである。したがって、全ての準備段階は完了し、本研究の目的はここ半年で達成される運びとなった。
|