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1988 年度 実績報告書

3d電子系におけるヘビーフェルミン

研究課題

研究課題/領域番号 63540249
研究機関京都大学

研究代表者

和田 裕文  京都大学, 工学部, 助手 (80191831)

研究分担者 志賀 正幸  京都大学, 工学部, 助教授 (30026025)
キーワードヘビーフェルミオン / スピンのゆらぎ / 電子比熱係数 / ラーベス相 / 3d電子
研究概要

本研究は3d電子系におけるヘビーフェルミオンの探求を目的としている。本年度はスピンのゆらぎの大きなラーベス相化合物について低温比熱測定をおこない、以下のような成果を得た。
1.低温比熱測定装置の自動化
本年度設備備品であるパーソナルコンピュータとタイムカウンターを既存のディジタルボルトメータと組み合わせ、低温比熱装置の自動測定化をおこなった。これにより、データの精度が向上した。
2.NbFe_2とTaFe_2の比熱
強磁性体に近い常磁性体であるNbFe_2とTaFe_2の比熱測定をおこない、これらの化合物の電子比熱係数γが43〜48mJ/K^2molであることを明らかにした。この値はバンド計算値より5倍程大きく3d電子系としては大きなエンハンスメントを示す部類に入ることが明らかになった。
3.Y(Co_<1-x>Alx)_2の比熱
この化合物はx=0.12で常磁性から強磁性に移るがγもその付近で急激に増大する。バンド計算と比較すると約5〜8倍のエンハンスメントがみられた。現在スピンのゆらぎの理論を用いてγを定量的に解析している。
4.Y_<1-x>ScxMn_2の比熱
反強磁性YMn_2はγ=15mJ/K^2molと小さいがScを3%添加すると常磁性になりγは150mJ/K^2molと約10倍大きくなる。Scを8%に増加してもγ=120mJ/K^2molと依然として大きい。一方バンド計算から予想されるγは9mJ/K^2molであるのでこの系のγは約15倍のエンハンスメントをもっていることが明らかになった。このエンハンスメントは典型的な5f系のヘビーフェルミオンUPt_3の20倍にはぼ匹敵している。現在、中性子常磁性散乱の結果とあわせて解析をおこなっている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Shiga: J.Phys.Soc.Jpn.57. 3141-3145 (1988)

  • [文献書誌] M.Shiga: J de Phys.(Paris). (1989)

  • [文献書誌] H.Wada: Physica B. (1989)

  • [文献書誌] H.Wada: J.Phys.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] H.Wada: J.Phys.Soc.Jpn.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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