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1989 年度 実績報告書

3d電子系におけるヘビ-フェルミオン

研究課題

研究課題/領域番号 63540249
研究機関京都大学

研究代表者

和田 裕文  京都大学, 工学部, 助手 (80191831)

研究分担者 志賀 正幸  京都大学, 工学部, 教授 (30026025)
キーワードヘビ-フェルミオン / スピンのゆらぎ / 電子比熱 / ラ-ベス相 / 3d電子
研究概要

本研究は、3d電子系に於けるヘビ-フェルミオンの可能性を探求し、その性質を調べることを目的としている。我々は、3d電子系に於いてもスピンのゆらぎが極めて大きい場合は、4f,5f電子系に匹敵するヘビ-フェルミオンが存在するという考えから、主としてラ-ベス相化合物の低温比熱測定を行なってきた。その結果、前年度にY_<0.97>Sc_<0.03>Mn_2が電子比熱係数γ=150mJ/系^2molという3d電子系としては極めて重い化合物になっていることを見いだした。本年度はこの化合物の解析と不純物効果を調べるとともに、更に新しいヘビ-フェルミオンの探求をおこない、以下のような結果を得ている。
1.YーScMn_2の解析と不純物効果
最近、スピンのゆらぎを定量的に扱う理論が我国に於いて発展してきており、中性子常磁性散乱の結果と併せて議論できるようになってきた。この理論を用いて解析したところ、実測価はほぼ再現され、この化合物のヘビ-フェルミオン的な振舞いが反強磁性的なスピンのゆらぎによるものであることが明らかになった。また、Mnを少量のAlで置換してスピンのゆらぎを抑えると、γは急激に減少することも見いだした。
2.新しいヘビ-フェルミオン系の探求
前年度の結果から、大きなスピンのゆらぎを示す物質探求をの指針として、(1)強磁性的な相関より反強磁性的相関の大きい系。(2)大きい磁気モ-メントが突然消失してしまうような系。というようなことが考えられる。そこで(1)としてCe(FeCo)_2とβMnーAl合金、(2)としてLu(CoAl)_2をえらび低温比熱実験を行なった。その結果Ce(FeCo)_2系とLu(CoAl)_2系ではγ値が50mJ/K ^2mol程度まで大きくなるものの、YScMn_2程重くはないことがわかったが、一方βMn合金のγ値はYScMn_2と同じ位エンハンスされていることがわかり、現在更に詳しく調べているところである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Shiga: "Giant Spin Fluctuations of YMn_2 and Related Compounds" J.de Phys.(Paris). C8. 241-246 (1989)

  • [文献書誌] H.Wada: "Low Temperature Specific Heat of Nearly Ferroーand Antiferromagnetic Compounds" Physica B. 161. 197-202 (1989)

  • [文献書誌] H.Wada: "Low Temperature Specific Heat of Laves Phase AFe_2 Compounds (A=Nb,Ta and Ti)" J.Phys.Soc.Jpn.59. (1990)

  • [文献書誌] H.Wada: "Low Temperature Specific Heat of Nearly and Weakly Ferromagnetic Y(Co_<1-X>Al_X) _2" J.Phys.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] M.Shiga: "Spin Liquid to Spin Glass Transition in Y(Sc)Mn_2 system Caused by Nonmagnetic Impurities" submitted to Yamada Conference XXV on Magnetic Phase Transition.

  • [文献書誌] H.Wada: "Effect of Magnetic Phase Transition on the Low Temperature Specific Heat in A(Co_<1-X>Al_X)_2(A=Y and Lu)" submitted to Yamada Conference XXV on Magnetic Phase Transition.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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