1.バイアス電場下電気磁気効果測定装置の開発 補助金によって購入した、プリアンプ及びシンセサイザを用いて、既設の装置の測定精度を向上するとともに、測定時に、±600Vのバイアス電圧をかけられる系を試作した。目下、Gr_2O_3についての予備測定を行っている。 2.反強磁性、ならびにフェリ磁性酸化物の電気磁気効果 (i)PbNb_<0.5>Fe_<0.5>O_3の電気磁気効果についての研究結果をまとめ、9K以下の低温相の対称性、およびこの相転移の機構を議論した。以上の結果は、Phase Transition誌上に公表される。 (ii)喜多(筑波大)らと、共同して、Y_3Fe_5O_<15>についての研究を続行した。とくに、120K以下の対称性、冷却時に加えられる電場の効果をくわしく調べた。この結果は日ソ誘電体シンポジウムなどで公表し、それらのプロシーディングスに公表される。 (iii)C_0Cr_2O_4の電気磁気効果についての研究結果をまとめ、ヘリカル磁気構造との関連を明らかにした。この結果について論文を執筆中である。 (iv)Pb_3Mn_7O_<15>で、1次の電気磁気効果の存在を確証し、この物質が極性結晶であることを示した。この結果は日本物理学会年会で口頭発表し、さらに論文を準備中である。 (v)Niwo_4で電気磁気効果の存在を見出した。この結果はスピン再配列転移の存在を示唆するように思われる。 3.単結晶の作成 M_0Cr_2、NiWO_4、CuWO_4、PB_3Mr_7O_<15>の単結晶を作成した。
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