研究課題/領域番号 |
63540268
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小谷 章雄 東北大学, 理学部, 教授 (90029504)
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研究分担者 |
岡田 耕三 東北大学, 理学部, 助手 (70194355)
萱沼 洋輔 東北大学, 理学部, 助手 (80124569)
城 健男 大阪大学, 理学部, 助教授 (20093487)
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キーワード | 高エネルギ-分光 / 多重項構造 / 稀土類化合物 / アクチナイド化合物 / 酸化物高温超伝導体 / 内穀光吸収スペクトル / 内穀光電子スペクトル / 内穀発光スペクトル |
研究概要 |
1fおよびd電子系の高エネルギ-分光理論におけるアンダ-ソン模型を拡張し、原子内多重項結合効果と原子間電子移動効果を融合・統一する理論を作った。特に、今年度は混成相互作用の異法性を取扱う計算機プログラムの開発に成功した。この理論を用いて、PrO_2のPr3d吸収スペクトルや種々の稀土類酸化物の3d・4d光電子スペクトルの多重項構造の解析をおこなった。また、La_2CuO_4のように異法性の強い系の内穀光電子スペクトルに偏光依存性が生じる可能性を初めて理論的に予言した。 2アクチナイド酸化物AO_2(A=Th〜Cm)の4f内穀電子スペクトルを系統的に解析し、5f電子間のク-ロンおよび交換相互作用の重要性を指摘した。また、磁場中のアクチナイド原子に対して、。X線磁気二色性スペクトルの系統的な計算をおこなった。 3稀土類酸化物LaF_3,CeF_3,CeO_2の5p→3dおよび3d→2p電子遷移にともなう発行スペクトルを二次光学過程の理論により定式化し、3d→4fおよび2p→5d共鳴励起の効果を明らかにした。また、同様な理論を酸化物高温超伝導体におけるCu2p→3d共鳴励起下での3d→2p発光スペクトルの計算にも適用し、放射X線の偏向特性が電子状態に関する重要な知見を与えることを示した。さらに、稀土類酸化物、酸化物高温超伝導体の双方について、非共鳴励起下で、光電子・光子同時測定スペクトルの計算を初めて実行した。 4酸化物高温超伝導体のCu2p内穀光電子スペクトルをCu^<2+>とCu^<3+>の両方に対して計算し、その多重項構造の相違を明らかにした。また、YBaCuO系超伝導体のCu2pおよびO1s内穀光吸収スペクトルの偏光特性の解析から、正孔の分布を明らかにした。さらに、BiSrCaCuO系超伝導体のCu2p光吸収に対して、CuO格子の菱形歪みの効果を論じた。
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