研究概要 |
1)大規模渦構造の非線形解析および数値解析(分担:巽,協力:山田)乱流の大規模渦構造として、当初計画していた「乱流混合層における2次元渦構造」に代えて、「管内流における3次元渦構造」を先に取上げることとし、今年度はその第一段階として、「長方形管内の層流とその安定性」について、主として数値計算による研究を行った。 方法としては、流れの速度を、長方形断面内の二つの直交軸方向にルジャンドル関数に展開し、その係数およびパラメーターの固有値を、運動方程式および撹乱方程式から決定することとした。 まず、層流の速度分布については、断面のアスペクト比a=1,2,3,4,5,10,20,30,の場合について数値的に計算し、速度分布、等速度線、流量を計算し、さらに、高アスペクト比(a≧5)に対する速度分布と流量の漸近評価を行った。また、従来の計算結果と比較し、従来の結果の有効範囲での一致を確かめた。 管内層流の安定性については、予備的な計算を行った段階であるが、a≧4において流れは不安定であり、臨界レイノルズ数はそれぞれ、a=4でRe〓18,000、a=5でRe〓10,000、a=6でRe〓8,000となることを見出した。したがって、臨界アスペクト比はa_c=3〜3.5の程度であると思われる。今後は、固有値のより正確な値と、撹乱の振幅関係を算出する予定である。 2)自然環境における渦構造のリモートセンシング解析(分担:二神) 自然環境における渦構造のリモートセンシング解析を行うに先立ち、模型水槽内のKarman渦列の写真画像解析によるリモートセンシングを行い、リモートセンシングによる渦の観測法の工夫をした。この観測法を発展させ、人工衛星からのCCTデータ等を用いて、海流、雲などの自然環境における各種渦現象の観測解析を進めている。
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