当初の研究計画書に基づき63年度には6月に四国の東半分の地域(瀬戸内海側の観音寺市から太平洋側の高知を結ぶ線の東側地域全域)を測定実日数15日間をかけ約330点の測定を行なった。既存データと合せて四国全域について詳細な重力異常図を作成した。中央構造線、仏像構造線に対応する顕著な重力異常が浮かび上がってきた。九州中部から東部にかけても11月に計画書通り測定を行なった。ただし、時間の関係で南部までは調査が及ばなかった。本研究費以外の費用でも山陰地方、近畿地方、静岡平野、新潟平野、白山、などの地域について測定値を追加し、本研究目的に役立てた。また、約3000点の他機関データを収集した。北海道については、他機関による既存データを新たに追加し、ほぼこの地域の重力異常の全貌をつかむ事が出来た。したがって、次年度に計画している北海道地域の重力測定をより効率的に行なえる事になった。 本研究費による研究までに蓄積した約50万点の測定データについてもその中に含まれている間違ったデータの発見やその回復処置などを継続しており、本年度に取得したデータを含めてより完全な日本列島全体の重力異常図を作成中である。 全力をあげて本課題に取組んでおり、遅れぎみながらほぼ計画通りに進行している。問題点としては、如何に努力しても、50万点にのぼる資料の中に紛れこんでいる間違ったデータが取りつくせない事であり、全体のデータが整理されればされるほどこれまで気づかなかった誤りが浮び上がってくる。他機関の資料も一点一点が貴重な資料であるから極力その誤りの原因を探求し、訂正する事を試みている。
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