1).GPS受信器(SONY GTTー3000)より得られるGPS衛星デ-タを観測するディジタルカセットデッキ(TEAC MT2GP)を使用した集録システムを開発作成した。そしてこれらのデ-タをミニコンピュ-タ(HAITACー600)に収録し、解析するためのソフトプログラムを開発・整備し、NWL10DやWGS72楕円体上での測地経緯度座標系でも表示できる応用プログラムを作成した。 2).人工衛星測地法研究のために設置した極地研究所A点と国土地理院人工衛星観測点No.5での受信実験をくり返し実施し、1)のシステムを使って解析した。基線長の再現性は対流圏補正を入れても5cm(〜1ppm)程度であり、デ-タスパンが30分以上である限り、改善の可能性がなく、これ以上を目指すには電離層補正の可能な2波受信器が必要である。WG72系楕円体上で既に得ているNNSSトランスロケ-ションの基線長との差は約4mを生じているが、これは原点変位量の不確かさと同程度である。 3).GPS干渉測位で得られる2地点間の高度差は、厳密には正規高(海抜高度)の差ではない。しかし、0.1m程度のジオイド高や標高決定精度を目標とするならば、本研究で開発、作成したシステムは15〜30分の同時受信で達成できる目途が得られた。 4).本研究の目的は目標物の少ない南極で、測地衛星を使い、いかにして高い精度で位置決定をするかを考えることである。このためには現地で観測を実施する研究者の技術の向上が不可欠であるが、できるだけ個人差の少ない測定を実施する為の手法をまとめた。
|