本研究では、海底熱水鉱床等に付随して見られる海底熱水放出を温度、塩分の2成分系のプリュ-ムとして扱い、その挙動についてパラメ-タ-モデルと数値モデルを用いて議論した。 パラメ-タ-モデルによる結果からは (1)海水の密度が2成分系で決定されるため、放出された熱水が上昇し、周囲の海水と同じ密度になっても、そこには温度あるいは塩分に特徴のある水塊が形成される事 (2)そのように形成される異種水塊の量は、熱水放出の形態を物理的な意味において、jet、forced plume、buoyant plumeの3つの分類をした場合熱水の同じ放出量についてみれば、bouyant plumeに近い場合に、他の2つに比べて大きくなる事 (3)沖縄トラフで発見された熱水放出はjetあるいは、forced plumeである可能性が大きい事 がわかった。 また数値モデルについては、2次元の非静水圧モデルを作成し時間積分を含む計算を行った結果、 (1)放出初期にはいずれのプリュ-ムの場合についても大きな擾乱が発生し、2次元プリュ-ムであるにもかかわらず、パラメ-タ-モデルの結果以上に周囲の海水を取り込み上昇させる事 (2)定常と判断される状態になっても、パラメ-タ-モデルの結果に比べてより大量の異種水塊を、より上層に作る事 がわかった。 今後、この数値のモデルの結果を更に解析し周囲の海水の運動を明らかにしていきたい。
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