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1988 年度 実績報告書

有機電導性錯体に関する基礎研究--ドナーおよびアクセプター荷電体の電子状態

研究課題

研究課題/領域番号 63540326
研究機関茨城大学

研究代表者

平山 昌甫  茨城大学, 理学部, 教授 (20007553)

キーワード有機電導性錯体 / アニオンラジカル / カチオンラジカル / トリアニオンラジカル / ESR / スピン密度分布
研究概要

有機電導性錯体の電導性は、それを構成する個々のアクセプターアニオンラジカル・ドナーカチオンラジカルの安定性(エネルギー)のみならず、これらのラジカルのスピン密度分布にも大いに関係があるとの予想から、最近この目的のために新たに合成されたアクセプター分子およびその原料となる化合物19種について、高真空中電解還元およびアルカリ金属還元により、安定なアニオンラジカルを生成し、ESR測定よりそれぞれ精度よくプロトンおよび窒素のhfsを得た。取り扱った化合物はTCNQ骨格、パラベンゾキノン、ピラジン環、チアジアゾール環、セレナジアゾール環のうちいくつかのものの組合せから成るものである。またこれらのうち、TCNQ誘導体とベンゾキノン誘導体の一部から電解により安定なトリアニオンラジカルの生成がESRhfsより確認された。適切なMOパラメーターおよびσ-πパラメーター値を用いて行われたスピン密度分布計算から得たhfsの理論値は、実測値と良い一致を示した。また、一部チアジアゾール環、セレナジアゾール環を有するアクセプターの電解の際、溶媒(アセトニトリル)からのプロトン引き抜きにより生成する新たなアニオンラジカルを検出した。また、ドナーとして合成された化合物2種(キノクサリン骨格にチアジアゾール環およびセレナジアゾール環を縮合したもの)について、電解酸化および塩化アルミニウム、カルシウム金属を用いて、カチオンラジカルを生成し、ESRの測定をしMO計算を行った。
スピン密度分布と電導性との関係についてはまだ考察する段階ではないが、以上の結果は、電導性の研究の際の基礎データとして役立つと思われる。特に、トリアニオンラジカルの生成は、電導性の議論におけるNEXTLUMOの役割について問題を提起している様に思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 平山昌甫: Chem.Lett.769-772 (1988)

  • [文献書誌] 平山昌甫: Bull.chem.soc.Jpn.(Note).

  • [文献書誌] 平山昌甫: Chem.Lett.

  • [文献書誌] 平山昌甫: Chem.Lett.

  • [文献書誌] 平山昌甫: Bull.chem.soc.Jpn.(Note).

  • [文献書誌] 平山昌甫: Bull.chem.soc.Jpn.(Note).

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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