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1988 年度 実績報告書

有機硫黄化合物および遷移金属触媒を用いる位置および立体選択的新合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63540389
研究機関金沢大学

研究代表者

猪股 勝彦  金沢大学, 理学部, 教授 (50110599)

キーワードビニル型スルホン / アリル型スルホン / 立体化学 / パラジウム触媒 / ピロール / フラン / ポルフィリン
研究概要

アルケンやアルキンに対するヨードスルホン化あるいはスルホニル水銀化反応を利用して対応するビニル型スルホンを位置および立体選択的に合成し、それらのアリル型スルホンへの異性化反応を検討した結果、興味深い立体化学的関係、即ち、(E)-および(Z)-ビニル型スルホンからそれぞれ、(Z)-および(E)-アリル型スルホンが優先的に得られることを見い出した。これらの現象は、"Syn-effect"に依存した"Conformational acidity"なる概念により合理的に説明されたが、今回は更に種々のγ-二置換ビニル型スルホンを調製し、それらの異性化反応について、経時変化も含め詳細に検討し、各種置換基に対する"syn-effect"の大小関係を明らかにすることができた。また、ニトロ化合物に対しても同様な現象を観察することができた。
一方、位置および立体選択的に合成されたビニル型スルホンやアリル型スルホンなどから誘導される3-および4-アルケニル アルコールあるいはアミン誘導体に対し、Pd(II)触媒を作用させると分子内環化反応が進行し、対応するフランおよびピロール誘導体が好収率で得られることがわかった。また、ビニル型スルホンは、1、3-ジオキソラン中光照射することにより、β位へ選択的にアセタールでマスクされたホルミル基が高収率で導入されることを見い出した。この反応生成物は、従来、我々が開発したフランやピロール類の一般合成法の鍵中間体となる化合物であり、この反応を利用することによって、種々の3,4-二置換ピロールを収率よく合成することができた。更に、新たに開発したアミノメチル化剤と3-トシルプロパナール エチレンアセタールとの反応により、2-メトキシ-3、4-二置換ピロールを合成することができたが、これらのピロール誘導体は、極めて高収率で対応するポルフィリン類へ変換できることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] J.Yamanaka: Origins of Life and Evolution of the Biosphere. 18. 165-178 (1988)

  • [文献書誌] K.Inomata: Chem.Lett.813-816 (1988)

  • [文献書誌] K.Inomata: Chem.Lett.2009-2012 (1988)

  • [文献書誌] S.Igarashi: Chem.Lett.(1988)

  • [文献書誌] Y.Tanaka: Chem.Lett.(1989)

  • [文献書誌] H.Kinoshita: Chem.Lett.(1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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