研究実施計画に基づき最初の目標化合物である〔3.3〕(2、7)-(1、6-メタノ〔10〕アヌレノ)ファン1_<a、b>の合成に取り掛かった。まずVogelらの方法に従ってナフタレンから出発して4段階で1、6-メタノ〔10〕アヌレン7__〜を合成した。(約百グラム) 次に7__〜を臭素化して2、7-ジブロム体8__〜とし、引き続いて臭素をホルミル基に変換した後に還元し、生成したアルコール10__〜を臭素化すると環化反応・原料となるプロモメチル化合物11【SY.itorsim〜】が黄色結晶として得られた。(図1)この化合物は比較的に不安定であり、例えばシリカゲルクロマトで分解する。 次に11__〜のアヌレン骨格がTosMIC環化反応並びに引き続いての酸加水分解反応条件に耐え得るかどうかを調べるために、11__〜とEobsMIC付加物12__〜の環化反応を行なった。得られた反応混合物を酸加水分解しシリカゲルクロマトで分離精製した所、目的のアヌレノファンジオン13__〜が23%の収率で得られた。(図2)13__〜のHNMRスペクトルでアヌレン環のメタノ架橋プロトンはベンゼン環の磁気異方性のために、著しく高磁場に現われている。(-1.15ppm)現在11__〜と14__〜を環化し、酸加水分解して粗生成物をシリカゲルクロマトで分離精製している所である。(図3) (図2)
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