1.EG&G製Xeフラッシュランプ(7FX-4、発光時間巾10μs、50J)2箇を、時間幅10μsから10msまで可変で間隔をあけた二重閃光発光装置を設計製作した。既存の高圧電源部を改良使用し、Flash Controllerを組立て、Flash HeadとしてはTrigger Module TM-11A、Spork Trigger Gap GP-20B(いずれもEG&G)を用いた。Charging VoltageとしてはMax 10KVとし、それ以下を可変とした。この光源系を二系統設け発光時間差を設定して手動で二連閃光発光を駆動させることを行う。Xeランプ2箇は垂直配置を主とし、試料の形態によっては装置を90°回転させ水平配置をとることも可能とした。試料セルはCaF_2窓のIR液体セルあるいは石英セル(l=10cm、φ=1cm)を用いる。 2.上記装置製作と平行して、有機金属化合物ビス(ホスフィン)-およびビス(ホスファイト)(オクタカルボニル)ジマンガン、(カルベン)(ノナカルボニル)ジマンガンおよび1、^<10->フェナンスロリン錯体を合成し、これらを光照射量を四塩化炭素-ジマンガンデカカルボニル系での塩化マンガンペンタカルボニル生成量で規格化した条件で、10μs閃光と20ms閃光を用いて上記化合物の光化学的挙動を比較し、またCaF_2赤外セル中での光照射系と10cm石英セル中で光照射した後処理して取出した系についてIR的に比較し、本体完成後の実験条件を検討した。 検討した化合物のうち、ビス(ホスフィン)錯体とビス(ホスファイト)錯体について全光量一定下で発光時間の違いによりその光化学に差異が出ることを検出した。ホスファイト錯体では長時間の方の条件で解離が認められた。カルベン錯体の光反応性にも時間差の影響が見られた。 上記装置によりこの2種の化合物系について検討を進める。
|