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1988 年度 実績報告書

サンゴの生物活性物質

研究課題

研究課題/領域番号 63540429
研究機関琉球大学

研究代表者

比嘉 辰雄  琉球大学, 理学部, 教授 (10101461)

キーワード石サンゴ / 生物活性物質 / ポリアセチレン / 抗カビ性 / 魚毒性
研究概要

石サンゴ類は、その生物体のほとんどが炭酸カルシウムの石でできているため、これまで天然物有機化学の立場からの研究はほとんど行われていない。予備的研究の結果、これらのサンゴは意外にも多量の抽出物を与えることがわかったので、生物活性物質の探索、サンゴの二次代謝物の化学構造およびこれらの種による差違などを調べることを目的に本研究を行った。
沖縄本島周辺海域で24種のサンゴを採集してメタノールで抽出した。それぞれの抽出物を酢酸エチルとメタノール可溶部分に分けて、抗菌、抗カビスクリーニングを行った。その結果、13種の抽出物が、E・Coli、S・aureus B・Subtilis、Cladosporium SP,Aspergillus SP・などの菌に対して活性を示した。これらのいくつかについて成分の分離を行ったところ、3種のサンゴ、Pectinia SP・,Alveopora verilliana.,Montipora digitataからそれぞれ2、3、4種の新ポリアセチレンアルコール類を単離し、構造を決定した。これらのポリアセチレン類は抗菌、抗カビ作用に加えて、魚毒性や細胞毒性を示すものもあった。しかし、細胞毒性の特に強いものは見い出しえなかった。アオサンゴの一種Helipora coeruleaからは2つのジテルペンを単離した。これらの構造については現在検討中である。アオサンゴは石サンゴであるが、八放サンゴ類で、その成分も八放サンゴのソフトコーラルやヤギ類によく見られるテルペン類であることは興味深い。六放サンゴにはテルペノイドは全く見い出せず、上記のように脂肪族のポリアセチレンのみであった。これらのポリアセチレン類の魚毒性や細胞毒性はソフトコーラルのもつセンブラン類に比べてきわめて弱いもので、六放サンゴがオニヒトデによって食害を受けるのに対して、八放サンゴは摂食されないことの違いが、これらの代謝物の違いにあるように思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tatsuo,Higa.: Chemistry Letters.

  • [文献書誌] Tatsuo,Higa.: Chemistry Letters.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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