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1988 年度 実績報告書

加速器質量分析による火山の地球化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540442
研究機関東京大学

研究代表者

今村 峯雄  東京大学, 原子核研究所, 助教授 (10011701)

研究分担者 吉川 英樹  共立薬科大学, 薬学部, 助手 (80201854)
小林 紘一  東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (70108637)
キーワード加速器質量分析 / 年代測定 / 炭素-14 / ベリリウム-10 / 火山 / 地球化学トレーサー
研究概要

^<10>Be及び^<14>Cを地球化学トレーサーとしてマグマ中のベリリウムやガス成分CO_2の起源に関する情報を得るため、日本列島のいくつかの代表的な火山について溶岩試料・火山ガス試料を用いて実験を行った。また^<11>Cをトレーサーとして岩石中における炭素の拡散の速さについて実験を行ってマグマ中のCO_2の動きに関する情報を得た(これらの放射性同位体のうち^<10>Be及び^<14>Cは東京大学原子力研究総合センターのタンデム加速器を用いて測定した)。火山ガスの主成分であるCO_2の^<14>C測定では、噴気孔からガスを真空採気びんに捕集した後アルカリで固定し実験室に持ち帰った後CO_2をアモルファス炭素に還元して測定試料とした。約50mgの炭素試料となるが^<14>C量の少ない火山ガスでは化学操作の過程での「現代炭素」の混入が問題となる。各ステップでの「現代炭素」の汚染を検討し改良を行った結果、CO_2ガス試料調製を含めた本測定法の定量下限として^<14>C/^<12>C=2×10^<-15>、^<14>Cの混入率として0.17%が得られた。ガスの採集は有珠火山、北海道駒ヶ岳、那須茶臼岳、草津白根山、箱根大涌谷、薩摩硫黄島で行った。現在一部の試料が未測定であるが、有珠火山では「現代炭素」として5%の混入率という値が得られた。これは火山ガスでは、(マグマ起源のCO_2の他に)地熱活動に伴い比較的若い炭素を持つ炭酸塩や有機酸を含む地下水が取りこまれる事を示唆しており、火山地帯での地表水と火山ガスの関連に新しい知見を与えるものと考える。一方容岩中の^<10>Be濃度は火山ガスの^<14>C濃度とは相関を持たず、^<10>Beについては、プレートのもぐり込みによって堆積物と共に地下深くに貫入した(堆積物起源の)^<10>Beがその起源となっているという我々の当初の考え方と整合している。すなわちCO_2と異なり地下水中の^<10>Beは岩石との相互作用のため地表近くに滞まりマグマにはその影響を与えないと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Imamura 他: Proc.the 2nd Int.Conf.on Low-Level Measurements of Actinides and Long-lived Radionuclides in Biological and Environmental Samples,May,Akita(1988).

  • [文献書誌] 小林紘一: 第1回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集. 114-133 (1988)

  • [文献書誌] M.Imamura 他: Nature.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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