研究課題/領域番号 |
63540454
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関戸 榮一 神戸大学, 理学部, 教授 (60030748)
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研究分担者 |
茶山 健二 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (10188493)
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キーワード | チアクラウン化合物 / 8-キノリンチオール / 8-メルカプトキノリン / 1,9-ビス-{6-(8-メルカプトキノリル)}-2,5.8-トリチアノナン / 1.9-{6.6'-(8.8'-ジスルファンジル)ジキノリンジル-2.5.8-トリチアノナン |
研究概要 |
1.試薬の合成:2-ニトロ-4-メチルアニリンを出発物質としてSkraup合成法に準じてキノリン化合物1を合成し、メチル基をブロム化した化合物2を得た。化合物2に3-チアペンタン-1.5-ジオチールを反応させて化合物3を得る。更に還元して得たアミノ化合物4をジアゾ化してチオ尿素を作用させて目的の試薬Bis-(MQ)TTNを得た。更に酵素で酸化することにより試薬DQDS-TTNを得た。合成各段階の物質はNMR、MS、IR法により確認した。 2.Bis-(MQ)-TTNは強酸性及び強塩基性水溶液には可溶であるが中性付近では難溶であり赤色結晶となる。1M塩酸及び水酸化ナトリウム溶液、50%(V/V)ジオキサン水溶液の紫外可視吸収スペクトルは210nm付近の2つのMQを架橋するチオエーテル鎖のスルフィドのN→R吸収帯が存在する。他はMQの吸収スペクトルとほぼ似た形となっている。またBiS-(MQ)-TTNは1分子内にMQを2分子有する構造であるのでモル吸光係数はMQの2倍になっている。また450nm付近の吸収極大の存在はBis-(MQ)-TTNもMQの場合と同様Zwitter ion型として存在していることを示した。DQDS-TTNは強酸性の水溶液には可溶であるがそれ以外の水溶液には不溶である。1M塩酸中の紫外可視吸収スペクトルはDODSのそれと類似している。
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