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1988 年度 実績報告書

新しい酵素添加酵素モデル銅錯体の開発とオレフィンの不斉エポキシ化触媒反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 63540492
研究機関熊本大学

研究代表者

榊 茂好  熊本大学, 工学部, 助教授 (20094013)

キーワード銅錯体 / オレフィンのエポキシ化反応 / 酸素添加酵素モデル / 不斉エポキシ化反応 / キラル銅錯体
研究概要

Monooxygenaseのモデルとして、銅(II)錯体〔Cu(NN)_2〕(NC_3)_2(NN=2,2'-bipyridine(bpy),1,1C-1,10-phenanthroline(phen)etc.)などを用いて、trans-stikbeneのエポキシ化反応を行ない、以下に要約する結果を得た。
1最適触媒系の確立.(1)触媒活性に対する配位子効果は、bpy系列では配位子の電子供与性の減少と共に4,4'-dimethy1-2,2'-bipyridine(dmbpy)<bpy<4,4'-diethoxycarbonyl-2,2'-bipyridine(dmbpy)の順に、又phen系列では電子供与性の増大と共にphen<2,9-dimethy1-1,10-phenanthroline(dmp)の順に活性が大となる。(2)この反応では主生成物trans-stilbene oxideと共にbehzaldehydeが副生する。副生物に対する主生成物の選択性は、活性の高い〔Cu(debpy)_2〕^<2+>,〔Cu(dmp)_2〕^<2+>が優れている。この事は共通の中間体から、trans-stilbene oxide,berzaldehyde双方が生成する反応機構を示唆する。
2活性種・反応機構の検討.(1)速度論研究から、反応は基質に一次、銅錯体に二次である。(2)反応系の分光学的研究から、酸素化剤iodosylbenzeneの添加により吸収極大の変化は小さいが、吸収強度が大きく変化し、更に基質の添加により、吸収強度はわずかながら変化する。この事は、銅(III)錯体あるいは銅(IV)錯体は生成していない事を示す。(3)ESR測定から、出発銅錯体は、g=2.2付近に異方性の小さい吸収を与えるが、iodosylbenzeneの添加によりESRシグナルは消失する。以上の結果から、活性種は、銅(III)錯体でなくiodosylbenzeneが架橋した二核銅(II)錯体であり、基質の配位により6配位錯体を経て反応が進行してゆくと考えられる。
3オレフィンの不斉エポキシ化反応.4,4'-dicarboxy-2,2'-bipyridineにキラルな-methylbenzylamine,1-mehtholを各々ペプチド、エステル結合で導入した新しいキラル配位子を合成し、それらの銅錯体によるtrans-stilbeneのエポキシ化反応を行なったところ、e,e4.4%、11%の基質立体選択性が得られた。これは銅錯体では最初の例であり、今後の展開が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 榊茂好、角明樹、大久保捷敏: Inorganic Chemistry.

  • [文献書誌] 榊茂好、角明樹、大久保捷敏: Journal of Molecular Catalysis.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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