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1988 年度 実績報告書

細胞性粘菌の発生におけるdiscoidinIとIIの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 63540523
研究機関北海道大学

研究代表者

落合 廣  北海道大学, 理学部, 助教授 (10002122)

キーワード細胞性粘菌 / レクチン / discoidin / 螢光抗体法
研究概要

細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの発生における糖結合性タンパク質(レクチン)の役割を明らかにするため、discoidinに対する単クローン性抗体を作製し、螢光抗体法により、発生過程における粘菌組織内の分布を調べた。discoidin I(disc I)は始めは多くの細胞に分布しているが、集合体・移動体では細胞塊の外側を被うSheathやSlime cootへの分布がめだってくる。子実体形成期では、予定柄細胞と柄細胞に多量のdisc Iが分布してくる。これに対して、disc IIは移動体が子実体形成に入る時期から予定胞子細胞に明白な分布がみられ、胞子形成に伴い螢光は消失する。
発生前期でのdisc Iの役割の一つとして、消化できないバクテリア由来の糖を食胞へパックするという考えがある。この食胞はmultilamellay body(MB)と呼ばれ、発生の進行に伴い細胞外へ排出ささるオルガネラである。今回、MBをもつ細胞に対して螢光抗体法によりdisc Iの分布を調べたところ、抗体により染色の違いが見られた。nI-1抗体を処理すると、MBに特異的な螢光がみられ、cytosolにはほとんど螢光がなかった。これと対照的に、dI-1抗体はMBを全く染色せず、cytosolに螢光がみられた。
この染色性の違いを調べるため、これらの抗体のイムノブロットングELISAにより、結合特性を調べた。nI-1抗体は非還元条件下のイムノブロットでのみ結合すること、尿素変性により結合しなくなることより、disc Iの四量体に結合していると考えられる。またdI-1抗体は、disc Iの四量体に結合しないこと、尿素変性により結合度が高くなることにより、disc Iの単量体の会合部位を認識していると推測される。
上記の分布は免疫電顕法を用いてもほぼ似た結果が得られている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masashi,Fukuzawa;Hiroshi,Ochiai: J.Biochem. 103. 884-888 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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